北海道の蝦夷鹿というのは、本土に生息するニホンシカの一種で、亜種と考えられています。日本で鹿といえば奈良公園を連想する人が多いと思いますが、奈良で市民権を得たような顔で街中を歩き回るあの鹿と、蝦夷鹿は実は同じ仲間なのです。
厳冬の地で長い間生き抜いてきたため、体格はニホンシカより大きく、隊長は150㎝ほど、大きな雄になると2メートル近くにもなります。体重も大きいもののだと100キロを優に超えます。
長い間、人間との共存はなかなか厳しいものがありました。アイヌは鮭と同じく鹿をも食料としていました。数少ない動物性タンパク質だったのでしょう。
明治に入り開拓が始まると、北海道に入植した人の重要な食料として、蝦夷鹿の肉は重宝がられ、缶詰として広く出回りました。つまり、乱獲の対象となっていったわけです。明治時代、蝦夷鹿の重要な餌である笹が大雪のため不足し、深刻な餌不足のために、多くの蝦夷鹿が死にました。これを機に蝦夷鹿の大量死が発生。絶滅への道を転がり落ちていくことになりました。